@【タンパク質】不足

身体やお肌やは、主にタンパク質から合成されます。

タンパク質が不足すると、、、
肌表面の「角質細胞」の生まれ変わりが正常に行われません。
    

そのお肌の生まれ変わり(ターンオーバー)の過程で生成される、
水分保持成分「NMF」や「セラミド」が正常に生成されない
    ↓
お肌のうるおい成分を自分で作り出す力が弱いため、
    ↓
肌が乾燥し、刺激に弱い敏感な肌になる
    ↓
肌が刺激から身を守ろうと、お肌表面の角質が厚くなりゴワゴワしてくることも。
保湿ケアをしないと乾燥する、保湿効果も持続力が弱くなる、
角質の厚くなった肌には保湿ケア用品の使用量も多くなってしまう

A【必須脂肪酸】不足(特にオメガ3系脂肪酸)

脂質には、私たちの身体では合成できない脂質、「必須脂肪酸」が存在します。

必須脂肪酸は、皮膚に限らず、私たちの細胞の「細胞膜」の主な材料です。
そのため、必須脂肪酸が不足すると、細胞の生まれ変わりが正常に行われず、当然ターンオーバーが乱れます。

タンパク質の箇所で記載した通り、ターンオーバーが乱れると、お肌の水分保持能力のほとんどを担う細胞間脂質やNMF(天然保湿因子)の生成が減少してしまいます。

必須脂肪酸には、大きく分けて「オメガ3系脂肪酸(アルファ・リノレン酸系列)」と「オメガ6系脂肪酸(リノール酸系列)」の2種類があります。

オメガ3脂肪酸はサーモン、サバ、イワシなどの魚介類に多く含まれており、オメガ6脂肪酸はコーン油、大豆油、ゴマ油、ベニバナ油などに多く含まれています。



「何でもいいので、油を摂ればいい」というわけではなく、オメガ3系とオメガ6系の脂質の両方をバランス良く摂ることが必要です。

極端な油抜きダイエットをしている場合、オメガ3系とオメガ6系の、両方の脂肪酸が不足している可能性が高く、魚介類が嫌いな方や欧米型の食生活をしている方はオメガ3系の脂肪酸の不足している場合があります。

日本よりも魚介類の摂取が少ないアメリカは、主にオメガ3系の必須脂肪酸の不足により乾燥肌が発生するケースが多く、オメガ3系の脂肪酸は、乾燥肌向けのサプリメントとして一般化しています。


B【亜鉛】不足

亜鉛は私たちの身体に大変重要なミネラルで、お肌や髪の毛、爪などの健康を維持するのに欠かせません。

亜鉛が不足すると、皮膚炎や湿疹、皮膚の傷が治りにくくなるなどの他、脱毛の原因にもなることが知られています。

健康的な食生活を送っていれば特に不足する心配はありませんが、以下に心当たりのある方は、亜鉛不足になっている可能性があります。


★単品ダイエットなど、極端なダイエットをしている
 :亜鉛を食事から十分に摂取できていない可能性があります。
★お酒をよく飲む
 :肝臓でアルコールを分解する際、多くの亜鉛が消費されます。
★加工食品をよく食べる
 :加工食品には、亜鉛を体外に排出してしまう「ポリリン酸NA」という添加物が含まれています。
★玄米など未精製の穀物をよく食べる
 :玄米というと健康に良さそうですが、玄米にはミネラルを体外に排出する「フィチン酸」が多く含まれています。
★ベジタリアン
 :極端なダイエットと同様に亜鉛が食事から十分に摂取できていない可能性があります。更に、未精製の穀物を多く食べている場合は、上述のようにフィチン酸によって亜鉛が体外に排出されてしまいます。


C【ビタミン類】不足

ビタミン類が不足するとお肌に悪影響があることは既に周知の事実ですね。特に乾燥肌にとって重要なビタミンは以下の通りです。
★ビタミンA
 :角質層の天然保湿因子(NMF)の生成を促したり、皮膚や粘膜を正常な状態に保つ働きがあります。不足すると角質層の保湿力が低下してしまいます。
★ビタミンB群
 :お肌のターンオーバーを正常に保つ働きがあります。不足するとターンオーバーが乱れ、乾燥やニキビなどの肌荒れの原因となります。
★ビタミンE
 :お肌の血行を促進し、新陳代謝を活発にします。また、抗酸化作用が強く、活性酸素から細胞を守る働きがあります。
★ビタミンC
 :コラーゲンの生成を促し、健全な新陳代謝を保ちます。


以上のように、お肌のバリア機能を正常に保つためには、様々な栄養素が必要です。

極端なダイエットや偏食、欧米型の食事、飲酒や喫煙など、上記にご紹介した要因に心当たりがある方は、何かの栄養素の不足が乾燥肌の原因となっている可能性があります。

その場合、できるだけバランスのよい食事を心がけ、必要な栄養を十分に摂取するようにしましょう。

アレルギーなどでどうしても食物から摂取できない栄養素があれば、サプリメントを適切に用いるなどして工夫することをおすすめします。